佐賀大学医学部医学科 前期試験

試験の特色

佐賀大学医学部医学科の前期入試は、試験全体におけるセンターの点数の比重が61.2%であり、国公立医学部医学科の中では徳島大学の69.2%に次いで全国第二位である。他の大学と比較してセンター重視の入試体系となっていることが大きな特徴の一つだが、その他に抑えていくポイントを列挙していく。


ポイント① 二次試験の特性

教科によるが、部分的に佐賀大学の理工学部と共通の問題が出題されることがある。その問題は、かなりの高得点が必要であり、簡単な問題を取りこぼさない能力が必要になる。

教科ごとの難易度および頻出分野を分析してみる。


英語…佐賀大学前期入試における英語の試験問題は全学部統一であり、非常に解答し易い問題内容となっている。

頻出分野としては、長文の要約問題、自由英作文があげられる。


数学…4問で構成されておりそのうち2~3問が理工学部と共通問題である。

問題構成は微分・積分のような数Ⅲ分野(複素数平面も過去に出題)が3問、数列や集合、論理から1問というのがオーソドックスな形であるといえる。


理科…物理は理工学部と共通問題であり、英語と同様解答し易い問題内容となっている。化学は医学部のみの問題であるが基本的にはそこまでの難問はないとみてよい。医学に関する難問が一問出題されることがあるが、専門的な内容からの出題のため解答できなくてもそれほど気にしなくてよい。

物理の頻出分野としては、力学は毎年出題されている。また、原子に関する問題の出題も多い。

化学の頻出分野としては、基本的に理論化学(蒸気圧、平衡の計算・論述)有機(高分子を含む)があげられる。



ポイント② 調査書の明確な点数化

全国の国公立医学部医学科の中で、明確に調査書が点数化されている大学の数は少ない。臨床医を育てるという目的を持って設立された大学ということもあり、与えられたタスクをその都度どれだけ正確にこなしてきたかを吟味していると考える。推薦入試ほど周囲の評定獲得率は高くはないが、高い評定を取っておくことがこの前期入試において有利なのは明らかである。肌感ではあるが、合格者の評定平均は4.7程度であると考えられる。これは、佐賀大学医学部の主な受験層が、地方進学校の上位層であることが原因であると考えられる。


〇合格者の傾向

推薦入試と比較すれば圧倒的に県外からの合格者数が多くなる傾向。思いのほかセンター試験の得点率が高かったことで受験を試みる学生や、北部九州では偏差値帯が最も低い国公立医学部ということもあり、長崎、福岡からの受験者が多い感覚。

点数配分

センター試験

5教科7科目(630点満点)

【国語】国語(140)

【数学】数IA必須,数IIB・簿記*・情報*から1,計2科目(140)

【理科】物・化(140)

【外国語】英[リスニングを課す](140[28])

《地歴》世B・日B・地理Bから選択(70)

《公民》現社・倫理・政経・「倫理・政経」から選択(70)

 ※理科は、基礎科目の選択不可

●選択→地歴・公民から1


二次試験

3教科(400点満点)

【数学】数I・数A(場合の数と確率・図形の性質・整数の性質)・数II・数B(数列・ベクトル)・数III(80)

【理科】「物基・物」・「化基・化」(80)

【外国語】コミュ英語I・コミュ英語II・コミュ英語III・英語表現I・英語表現II(80)

【面接】(60)+調査書(100)